場あたりは、演技指導を交えながら、やはり少しずつ進みます。
美術さんや役者さんがこのペースで大丈夫か?と不安を抱いています。
(絵を描いていたらいろいろ聞こえてくるのです。)
今日驚いたのは、
主演の阿部さんに対するダメ出しがあったことです。
稽古が始まって2ヶ月、阿部さんに対して
ほとんど演技の注意はありませんでした。
しかし、ゲルツェンが息子に自分の著書を渡す際の長台詞で
「伝わってこない」
と、グサッとくるダメ出しです。
蜷川さんいわく
声が低すぎて、感動的ではない。
もっと息子に対する熱い想いが出たほうがいい。
とのこと。
やり直し、やり直し、やり直し。
普段注意を受けない主演に対するダメ出しに、私は戸惑いました。
明らかに高いレベルを目指す蜷川さん、
主演のプライドを傷付けないように言葉を選びつつ、
厳しい内容のダメ出し。
それらを無言で聞き、改善しようと演技を繰り返す阿部さん。
なんとも重々しい空気でした。
「歳を取ると、次の世代に想いを伝えたくなるものだ」
と、蜷川さんの日頃の実感(?)も聞き入れながら、
阿部さんはだんだんと
熱いゲルツェンに変わっていきました。
ただ、残念ですが、
このシーンに感動的な音楽をかけることになってしまいました。
求めている感動は、演技だけでは表しきれないという
蜷川さんの判断です。
ただし現時点では、です。
私は信じています。
本番が始まったある日、
蜷川さんがこのシーンから音楽を取ってしまうことを。

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