
役者の動きは、普段、その役者本人に託されます。
稽古前もしくは稽古中に、独自の動きをあみだします。
特にすごいなあ、と思う3人は
勝村さんと池内さん、あと阿部さんです。
動きに無理がなく、何度繰り返しても不自然な反復にはなりません。
華麗なほどの身軽い動きをする時もあります。
なぜそのように出来るのかというと
・無駄な緊張をせず、演技に余裕があること
・もともと身体の使い方が器用なこと
・サービス精神が旺盛なこと
が理由にあげられると思います。
この3人に限らず、皆さん当たり前のように舞台を自由に動き回ります。
思えば見学を始めて
最初の立ち稽古を観たとき・・
かなり完成度が高くて「この時点でもうお客さん呼べるよ!!」
と、興奮したのを覚えています。
私が今まで自身の劇団でやってきたレベルで言うと、
「まずは台詞を理解しよう」
から始まり、
ここは大事だからと、たっぷり時間をかけて
「相手役の台詞を聞こう」
「台詞で会話をしよう」
を皆でクリアしていって、
最終的には(お客さんの視線も考えながら)
「舞台上で感情・台詞に合った動きをしよう」
という段階に登りつめるのです。
ここまでくればたいがい、役者の身体は
観客に見せられるものになっています。
いえ・・素人と比べるのも失礼なことかもしれませんが、
上記のことをかなり高いレベルで、
しかも最初の立ち稽古で成し遂げるのですから。
「いや〜さすがプロだ!」
の一言です。
しかしこんなにすごい役者揃いの稽古場であっても、
動きが不自然で、なかなか心と動作が結びついていないな、という時があります。
そんな時、蜷川さんは演出を切り替え
まるでダンスの振付けのように細かく動作をつけていきます。
俳優にとってこれは演出家に諦められたということであり、辛いことです。
しかも指定された動きを守ろうとすると、
どうしてもわざとらしさが拭えません。
蜷川さんはやはり、役者それぞれの
自然な行動が生まれることを
待っていたいはずです。
最近演出家による動きの指定が増えてきたので、
このようなことを書きました。

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