3冊目に突入しました。
いつも1日3場ぐらいのペースで進めて来ましたが、
今日やったのは1幕の1場のみです。
しかしこのシーン、とても難しいものでした。
新たな登場人物がたくさん出てきて、
話があちらこちらに飛んでいきます。
しかも1幕で主要な役をしていた俳優が
再び違う役に扮して登場するので、
観客は混乱することでしょう。
もはや頭では処理出来ない複雑さなので、
役者や演出家にとっても大変です。
まずは、
読み合わせで役と俳優を一致させることから始まりました。
そこで蜷川さんのお話。
「イギリスでは主役3人ぐらいを除き、
大物の俳優であっても快く何役でもやる。
波の布を扱うことだってやってくれる。」
→「主要な役の人でも」「有名な俳優でも」
というところを強調しているところからみて、
蜷川さんがとても役者さんに気を使っていることがわかります。
「イギリスの俳優や観客はそれでなれているけれど、
日本は慣れていない。
あるゆる俳優が複数の役を演じるという前提が、日本にはない。
ここで制作さんにお願いしたいのは
事前にこの演劇がこういう構造をしていることを
観客に伝えておいてほしい。
俳優は、上手く別人みたいにデフォルメして。
そこは大物だから大丈夫だと思う。
観客がパンフレットを見始めたら負け!」
→この、「これは勝負だ!」と挑む態勢が蜷川さんらしいです。
これを聞いたら誰もが「よし頑張ろう」という気になると思いました。
次は立ち稽古です。
観客に分かりやすくする為のダメ出しが続きます。
・位置に気をつける
台詞が終ったらいつまでも同じ場所に留まらず、
両側の客席を意識しながらみんなに顔を見せていく。
・寄り過ぎないように
(一方で、「そこ、グループで固まれ」という指摘も)
・観客の目線を操る
喋る時に歌舞伎みたいにふっとカラダを大きく見せると、目線がいく。
名前が出た人の方を見たり、周りの反応をやや大きくする。
要するに、
みんなで協力し合わないと
このシーンは良くならないということです。
自分が舞台上で主張するところと
他の人を立てるところ、
俳優はこれらを判断しながら位置を決めていかなければなりません。
ある俳優が、独自の判断で面白いことをしていました。
ハンカチで靴の泥を取るために、
皆が立って歩いている中、しゃがむのです。
そして自分の台詞が来たときに、
立ち上がってハンカチを掲げました。
蜷川さんはそれに対して何も言いませんでしたが、
こういったそれぞれの工夫が生きるシーンだと思いました。

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