このブログを始めて、何度「さすが」と書いたことでしょう。
今日は2つの「さすが」があります。
ひとつめ。
昨日課題だった3部3幕頭。
新たな登場人物がたくさん、しかも
同じ俳優が名を変えて出てくるシーンです。
複雑で初見の観客にとってはなかなか難解です。
昨日は完成せずに稽古を終えましたが、
今日稽古が始まって1発目にやってみると、
なんと!素晴らしいシーンになっていたのです!
話者があちこちに飛び、観客がついていけないと思っていました。
しかし見事に目線の誘導に成功し、
美しさまで感じさせる完成度でした。
ということで、ひとつめは役者さんへの「さすが」です。
ふたつめ。
ネタバレになるかもしれないと思い、ブログには伏せていたことがあります。
しかし限界です。言っちゃいます。
演出家はこのシーンに、ある工夫をしているのです。
それは「スローモーション」。
台詞は普通の速度で、動きだけスロー。
昨日の稽古の時点では、このシーンをスローモーションにすることが
果たして成功なのかどうか、私には分かりませんでした。
しかし今日のものを観てしまったからには言い切れます。
成功です。
スローモーションにすることで
観客は俳優の動きを追う余裕が生まれ、
悪口を言い合う登場人物の構造が分かりやすくなりました。
さらに
この場面の間ずっと舞台を覆っている白いカーテンと相重なり、
幻想的で美しい「夢」のトーンがよく出ています。
登場人物がゆっくりとはけていく中、
転換もスローで行われます。
椅子や机を床に付けたまま丁寧に押して出てくる様子は
物が自動的に動いているかのように見え、不思議な体験でした。
蜷川さんの的確なアドバイス、もともと力のある俳優のさらなる努力、
この2つが合わさり
本当に素敵なシーンが生まれました。
役者への信頼、
「スローモーション」というチョイス、
そして役者を導く的確なアドバイス。
ふたつめの「さすが」は演出家に向けてです。

0 件のコメント:
コメントを投稿