今日は選挙なので、いつもより1時間遅くスタート。
2部の2幕を昨日のように、
ところどころ止めながら進めていきました。
「劇場に入ったらもうこんなこと出来ない」と、
ある若手男優Mの1時間に渡る特訓がありました。
その特訓の目指すところは、
『Mさんが演技を通して他者に向き合い
心の揺らぎをあらわにする』ことです。
蜷川さんから様々な指摘がありました。
・言葉に意味がない
自分のものになっていない
・ブツブツ切れすぎ
・正面を見過ぎ
スクエア、水平になってる
・べらべら言ってる(状況からすると、絞り出して言う言葉)
・力んでいる
そして細やかなアドバイス。
・符号を使う
人類共通のルールを使って、解説的に。
例えば「悩んでいる」ということを伝えるために
うつむいたり声のトーンを下げたりする。
・自分でイメージを持つ
共演の阿部さんの目は、いろいろ問いかけてくる。
それに対して答えようとしたり、
答えられなくて目をそらして考えたりすればいい。
「かたくなに」(ト書きにかいてある)自分を正当化しようと
考えながら言葉を絞り出す
→役の心のブレが見えてくる
→結果、役の本音を見せられる
・役が使い慣れているであろう言葉はスラスラと
・演劇はもっと自由だと考える
演劇だからってべらべら喋る必要はない
Mさんはかなり苦労しています。
根本的な演技の問題なので、
注意されてすぐに直るものではありません。
しかし『コースト・オブ・ユートピア』を通して
今回これらを乗り越えることが出来たら、
Mさんにとって今後大きな財産になること間違いなしです。
その他、本日のメニュー。
◉ただの喜劇と大人演劇との演技の使い分け
「こんなところシリアスにやったらバカバカしい」喜劇のシーン
・台詞の間を詰めて、速く言う
・わがまま女のつまらない悩み
→大げさに嘆く
くだらない初体験の話
→気軽に、雑に
「ヨーロッパ風の男女の関係」大人のシーン
・男女の複雑な関係を微妙なやりとりで表す
・関係のない動きは極力無くす
◉劇場規模を考えた演技の要求
シアターコクーンは大きくて天井が高いため、空気を作りにくい。
なので低空飛行の演技では飽きてしまう。
声が小さいと、観客が耳をすまさなければならないので、辛い。
◉2部の終わりに、新演出が加わる
ゲルツェン(の病気の息子)がパリへ行くことを許可され
妻子・友人と喜びながら去っていくシーン。
蜷川さんはある工夫をする。
→結果、
喜びの裏に待ち受ける悲しみ(息子も妻も死んでしまう)が
上手く感動的に表現された。

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